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  • Yukinari Bando

6月3日(金)発売、新刊のご案内。『山釣りの旅案内 そばとふらいふぃっしんぐ 東北、北関東、信越編』 文と写真/大野敏男、川上潤司、関根信太郎、次山嘉一、阪東幸成

更新日:4月27日


新刊のご案内です。そばとフライフィッシングをセットにした欲張りな本で、欲張り過ぎて400ページというヘビー級の本になってしまいました。少なくともページ単価と情報量と厚みと重量では巷に溢れるグルメガイド、釣り場ガイドを圧倒しています(笑)。今回も発売日以前に当ホームページ、もしくは全国提携フライショップでご予約いただいた方(先着300名)にはオマケが付きます(amazon、楽天ブックスなどのネット書店、及び全国書店でご予約いただいてもオマケは付かないのでご注意ください)。今回のオマケは、フライを乾かす布を、釣り場移動中の車内にぶら下げておくための「HOSSY」(魚の形をした洗濯バサミです。プラスチック未使用の金属製。オマケは右端のシルバータイプ、チェーンリング付き)です。TIEMCOのフライカチーフやアマドゥーやセーム布を挟んで、後部座席の窓を少しだけ開けて走ると、あっという間に乾きます。



内容紹介 <釣り場ガイドブックの正しい読み方> より


『善の研究』で知られる日本の哲学者、西田幾多郎に「絶対矛盾的自己同一」という概念がある。西田哲学の根幹をなす難解な概念で知られるが、もし「一言で絶対矛盾的自己同一を説明せよ」と言われたら、私なら「釣り場ガイドブック」と答える。

私は渓流で餌釣りを始めたおよそ40年前から、一貫して、釣り場ガイドブックが発売されると、迷わずに購入してきた。出版社側としては、釣り場ガイドブックとうたうからには、最大公約数的に釣り場情報を網羅するのが通例だ。一方、釣り人側はといえば、知られざる釣り場が知りたくて、最小公倍数的にガイドブックを買う。釣り場ガイドブックとは、製作サイドの意図と購入サイドの目的が合致しない、同床異夢的な書物なのだ。(中略)長い間、釣り場ガイドブックを参考に釣りをし続けているうちに、ある一瞬だけ正気に戻ったことがあって、その際に、依存症のもやもやとした霞の中から一つの事実が姿を現したのだ。

―――紹介されていない所では釣れる。

紹介されている区間やポイントでは、ほぼ100%釣れない。ところが、なぜか紹介されている川の近くの川、書かれなかった区間で釣れるのである。やがて私は理解した。釣り場ガイドの執筆者も人の子で、執筆を依頼されて原稿料を受け取る責任上、大ウソは書けない。だから有名ポイントや誰もが行く場所を無難に紹介することになるわけだが、一方で自分が釣っている場所は秘匿するものなのだ。それは自分が執筆者になったと想像すれば簡単に分かる。自分だけの秘密情報を、知らない相手に垂れ流す釣り人はいない。ただし犯罪者が偽名を使う時に、ついつい友人知人の名を挙げるように、ガイドブックの執筆者にとっても100%のウソを付くのは難しく、書いた文章のどこかに、隠した痕跡を残してしまうものなのだ。取調室で「いや、オレはやってないよ」と言う容疑者の言葉を鵜呑みにする刑事がいるだろうか。一つだけ紹介が漏れている支流は「釣れない」からではなく、「釣れる」から載せていないのである。(中略)本書もこれまでの釣り場ガイドの例に漏れず、秘された裏側にこそ真実がある。本書の冒頭で、爆釣の場所は紹介されていないから、そういった情報を期待する人は買わない方がいい、と書いたのは私の本心だ。情報漏洩、盗み、ウソが横行するこの釣りの世界に、突然、まばゆい真実が姿を現すはずがない。裏読みこそが、釣り場ガイドブックの唯一にして、正しい読み方なのである。

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